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道具学会
http://www.dougu-tools.com/ 〒169-0074 新宿区北新宿1-30-30 近鉄不動産柏木ハイツ508 TEL・FAX: 03-3369-0460 E-mail:info@dougu-tools.com 道具学会叢書委員会 野辺 公一 山口 昌伴 真島 俊一 カテゴリ
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![]() 治具は英語でjig。私の場合は木工加工だが多くの治具を使う。安全にそして、的確に作業をするためには、どういう治具を作ればいいのか考えることが多い。例えば丸棒を手鋸で切るのは、さほどむつかしいことではないが、丸鋸盤(昇降盤)という電動の大型機械では、ダウンカットといって鋸刃が作業者に向かって下の方に高速回転していて、丸棒が切断された瞬間、木片はその回転している鋸刃に当たって作業者に飛んでくることが多い。それをキックバックというが、極めて危険なことだ。 丸棒から車輪を作る時、このキックバックをいかに防ぐかの工夫が必要になる。それにはカットされた車輪が転がらなければいいのだと考え、丸棒がきっちりと入る箱を作り、丸棒に楔を打つことで、安全にしかも作業時間の短縮を図ることを思いついた。この方法ならサイズの違う丸棒ごとに箱を作れば、同様の結果が得られる。家具やクラフトの品を作ることも楽しいが、治具を工夫することも楽しいことなのだ。 里森 滋 ![]() 人類創世記より「手」は特別な意味を持ち、とりわけその「掌」には、計り知れない力が宿っているようだ。「両手を合わせる合掌」「指を組み発する印」「霊力を放つお手当」、そして「伝統技芸のDNA集合」等々。宗教的な行為に留まらず、日々の暮らしにおける信頼や感謝、そして祈りや願いを表す万能の媒体でもある。 写真は、筆者がジャカルタで手に入れた木製の「仏手」。精緻な芸術性が手作りの温もりに包まれた佇まいに、心洗われる想いがする。そのしなやかに差し伸べられたかたちは、「親しき握手」や「優しき手話」など、様々な「掌」を通じた「心の触れ合い」を彷彿とさせる。人間相互の意思疎通や感情の交歓を伝えることを通じて、人類の平和と繁栄が続く永遠なる道筋を、この「仏手」は指し示しているかのようである。 そこでその掌に、親友から戴いた去年の「鉈豆」をそっとおいてみる。掌に宿る「生命の源」に導かれて、来夏の豊饒が訪れることを祈りながら。 藤本 清春 ![]() 旅行の途次何故か惹かれて撮影したモノですが、正体不明のまま永年が経過し、思いあぐねてスイスの犂博物館にメールを送ってみました。それが転送されて別の歴史博物館のペーター・ブレッチャーさんから返信を受けました。 そこで年来のギモンが氷解し、国際的情報網を活き抜いたモノは下記のような優れものであることが判明して決着! 「これは反転一枚犂刃の犂でダブル・ブラバント型犂と呼ばれる(ベルギーのブラバントモデルと呼ばれている)。スイスでは1880年代に開発され非常に普及した。この写真に見る形式は1920~1950年にかけて製造された。犂の正面にはスイス・ベルン州ヲルプのオット社の銘が入っている。この写真の犂は作業状態ではなく、水平方向に(刃が)向けられ畑まで運搬するための専用台車に載せられている。」 インターラーケンの目抜き通りに鎮座する在りし日の農具なのでした。 田村 眞 ![]() 賀正!! 来年は巳年ゆえ今年は龍から蛇への道具進化論を一筆啓上。 明治16年建立の鹿鳴館評判記客室の項に曰く「浴室には長六尺幅三尺蠟石(ろうせき)製楕圓形の風呂あり、傍の龍口(たつくち)を捩れば轟然声(ごうぜんせい)があって清水噴出する精巧、驚くべきものあり。」 水道栓を龍口(たつくち)・龍頭(たつがしら)と称したのは明治中期頃で、明治後期には蛇口に。水道網の超進化で水栓呼称は龍から蛇へ退化? ところで、西洋舶来水栓の原名鶏口(コック)・鶴首(カラーン)を開化日本で何故龍(ドラゴン)に宛た? 我邦文化基盤中国の水龍頭(sui long tou)に因んだため。江戸時代、消防ポンプを龍吐水と呼んだ、そんな伝統の継承だった。 道具の進化と呼称の退化、西洋舶来品に東洋語・漢訳-道具における言語現象学は本会「道具と言語」研究会重要テーマのひとつ、挑戦されたい。だがまずは本会各研究部会に託したい道具への問いを楽しむ楽問懇談・道具楽サロンにご参加を!! 毎週金曜開催:道具楽サロン 座長 山口昌伴 ( )はルビ ![]() このカップは、薄い樹脂の真空成形からなる白色の上半分とコーヒー色の下半分の底部分から構成されている。双方が重なり二層になっている下半分は掌に載せても熱くない。 そして、極め付けは上半分の部品である。写真に見られるように単純な成形の半硬質のこの部品による容器の耳(取っ手となる摘み)の部分のカップ内側が溝状にへこんでいる。そこに撹拌棒を挟み込み容器の取っ手部分を摘んで中の飲み物を口へ運ぶと、撹拌棒は耳の内側の溝部分に樹脂の弾力を介して指の力を受けて固定される。撹拌棒を容器内に収めたまま、飲み物をゆっくりと飲み込むことができる。 再び撹拌棒を使う折は、容器をテーブル上に置くか底の部分を持つことで、撹拌棒は溝から開放されるために自由に使うことができる。揺れる環境で濡れた撹拌棒でテーブルを汚さずに熱い飲み物を安全かつ寛いだ気分で味わうために、よく考えられた道具といえよう。 古川 政明
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